結露はなぜできる?
空気中には、ある一定量の【水蒸気】という形で水分を含んでいます。
そして、空気には水蒸気を含むことが出来る限界量があります。
温度(気温・室温)が低いほど水蒸気を含むことが出来る量が低下し、温度(気温・室温)が高いほど水蒸気を含むことが出来る量が大きくなります。(その限界量に対する実際の水分量を%で示したのが【湿度】です)
その水蒸気を含むことが出来る量が限界点(湿度100%)を超えたときに、結露が発生します。
つまり、【結露】とは、空気が温度の低い物体などに触れる等の要因により冷やされることで、空気中に水蒸気を含むことのできる限界量が低下し、限界を超えた量が水滴となって現れる現象です。
冷えた飲み物をグラスに入れて、しばらく経つとグラスの表面が曇り、やがて水滴となって流れ始めることは、どなたでも経験があることだと思います。これが結露現象ということです。
輻射式冷暖房(冷房時)の結露について
輻射式冷暖房(放射式)システムは、輻射パネルに組み込まれた放熱フィンの中のパイプに冷温水や冷媒ガス(エコウィンのみ)を流すことで、放熱フィンを温めたり冷やしたりして冷暖房を行う仕組みです。
壁設置の輻射パネル(天井輻射は別途後述)で冷房時には冷温水タイプの場合は、5~15℃くらいの水を流し、冷媒ガスタイプ(エコウィンハイブリッド)の場合は、0~10℃くらいの冷媒ガス(半ガス状態)を流すことで、放熱フィンを冷却し室内の熱を吸収することで冷房を行います。
この時に前述の理由により室内空気中の水蒸気が放熱フィンで結露となり流れ落ちますが、結露水は下部に設置されたドレンパンで集められドレン管を通して排水されます。
この結露排水により空気中の水分が減少し、湿度が下がり体感温度も同時に下がることになります。
天井輻射パネルは結露させられない
前項でお伝えしたように、輻射式冷暖房の冷房時は積極的に結露させることで除湿を行い体感温度を下げるという効果が期待されます。
しかし天井輻射タイプだと当然ながら結露させると、結露水が室内に落ちてくるので結露しないように温度調節をする必要があります。
仮に気温30℃で湿度90%の場合は、露点(結露が発生する温度)は28℃です。
天井輻射パネルに流す水温は精々25℃くらいまでしか下げることが出来ないことになります。
また天井輻射だと結露させられないので、空気中の水分量はそのままで室温を下げることになります。
故に湿度は逆に上がってしまうことになります。